「パラリンピックって何?」「パラとは何?」子供に聞かれて答えれますか?
今回はパラリンピックについて、私のインドネシアの知人が詳細を調べて、まとめてくれましたので、紹介します。
来年(2020年)7月24日は東京オリンピックの開会式です。
既に1年を切りましたね。海外在住の私からすると、日本で開催されるオリンピックは物凄く楽しみですが、オリンピックに出場するために頑張っている選手達は日本の暑さは大丈夫かな?
日本語が読めなくても電車やバスの利用はできるのかな?と色々考えてしまいます。
皆様はオリンピックについては、よくご存知だと思いますが、パラリンピックについてはいかがでしょうか?
名前は聞いた事があっても、どの様な種目があるのか、どの様な大会なのか知らない方もいらっしゃると思います。
2020年の東京開催を控え、2018年に私が住んでいるインドネシアのジャカルタで第3回アジアパラ大会が開催されたのですが、皆様は見ましたか?
4年に1度、アジアパラリンピック委員会(APC)が主催する総合スポーツ大会で、10月6日から13日までジャカルタのブンカルノ競技場の隣接施設で行われました。
アジアの43の国と地域から2800人を超える選手が参加して、18競技558種目が行われ、日本選手団の入場行進では旗手をつとめた陸上の前川楓選手、選手団主将・水泳金メダリストの鈴木孝幸選手の姿もテレビに映りましたね。
日本は前回の韓国・仁川大会を上回る198個(金45銀70銅83)のメダルを獲得し、素晴らしい活躍を見せてくれました。
ちなみに、第3回アジアパラ大会の競技は、アーチェリー・陸上・バトミントン・ボッチャ・自転車・チェス・ゴールボール・柔道・ローンボウルズ・パワーリフティング・射撃・水泳・テンポンボウリング・卓球・シッティングバレーボール・車椅子バスケットボール・車椅子テニス・車椅子フェンシングでした。
欧米のパラリンピックとは違う文化である(宗教や風習なども)アジア地域のパラスポーツを見ることで、2年後の東京オリンピック・パラリンピックに生かそうと東京大会の関係者や学生らもインドネシアのジャカルタに来ていました。
目次
パラリンピックのパラとは何?

2020年東京オリンピックは、1964年以来56年ぶり2回目の開催で、アジア圏では初めて同じ都市での複数回開催になります。
東京オリンピックは2020年7月24日から8月9日まで、パラリンピックは8月25日から9月6日まで開催される予定です。
パラリンピックとは、障がい者の方が参加するスポーツ大会で、トップアスリートがパフォーマンスを競う世界的な大会です。
オリンピックと同じく4年に1度、夏季・冬季大会がオリンピックが終了した後に同じ場所で開催されます。
パラリンピックを主催するのは、国際パラリンピック委員会(IPC)で世界最高峰の障がい者スポーツ大会です。
パラリンピックでは障がいの度合いに応じて分けられた階級があり、主に肢体不自由(上肢・下肢欠損・麻痺)脳性麻痺、視覚障がい、知的障がいの方を対象としています。
パラリンピックと言う名称は、下半身麻痺者を示す「パラプレジア」と「オリンピック」を掛け合わせた造語でした。
しかし、1985年にIPCがパラリンピックを正式な大会名として使用する事を認めたため、パラプレジア以外の障がいを持つ方も参加している事から、ギリシャ語のパラ(もう一つのと言う意味)とオリンピックを掛け合わせた言葉に変更しました。
IPCはパラリンピックに出場する選手が持つ力こそが、パラリンピックを象徴するものであるとして、
- 勇気=マイナスの感情に向き合い乗り越えようとする精神力、
- 強い意思=困難があっても諦めず限界を突破しようとする力、
- インスピレーション=人の心を揺さぶり駆り立てる力、
- 公平=多様性を認め創意工夫をすれば誰もが同じスタートラインに立てることを気づかせる力、
この4つの価値を掲げています。
パラリンピックのシンボルカラーは、赤が心、緑が身体、青が精神を表していて「スリーアギトス」と呼ばれています。
アギトはラテン語で私は働くと言う意味で、困難があっても諦めずに限界に挑戦するパラリンピアンを表現しています。
パラリンピックの歴史

起源1948年7月28日 ロンドンオリンピック開会式と共に、第2次世界大戦で脊髄を損傷した兵士達へのリハビリの一環として、イギリスのストーク・マンデビル病院で開催された競技大会がきっかけです。
この時、車イス入院患者・男性14名女性2名でアーチェリー競技が行われました。
1952年 第1回ストーク・マンデビル競技大会が国際大会へと進展。参加国はイギリスとオランダの2か国のみでした。
1960年 ドイツから亡命したユダヤ系医師ルートヴィヒ・グッドマンを会長とし、国際ストーク・マンデビル大会委員会が設立され、ローマで行われたオリンピックと同時に、第9回国際ストーク・マンデビル競技大会が開催され、この大会が第1回パラリンピックで、23国400名の選手が参加しました。
1964年 東京で行われた夏季オリンピックで、第2回パラリンピックが開催され、第2部では日本人選手だけの国内大会が開催されました。この時からパラプレジアとオリンピックを合成したパラリンピックと呼ばれ始めます。
1972年 東京大会後は、オリンピックと開催場所が異なるようになりましたが、1972年のハイデルベルク大会で復活し、オリンピックとパラリンピックが再度同時開催されるようになりました。
1976年 第1回冬季大会エーンシェルドスピーク大会が開催されました。
1988年 ソウル大会よりパラリンピックが正式名称になります。この時、パラリンピックは、パラ(もう一つのと言う意味)とオリンピックを掛け合わせた言葉に変更しました。
1989年 ドイツに国際パラリンピック委員会(IPC)本部が設立され、継続した大会運営が行われるようになります。
1992年 アルベールビル冬季大会にて、冬季オリンピックと同じ都市で開催されるようになりました。
1998年 長野オリンピックでクロスカントリースキー種目のみ、初めて知的障がい者の参加が認められます。
2000年 シドニーオリンピックの年、国際オリンピック委員会(IOC)と国際パラリンピック委員会(IPC)の協定が正式に結ばれ、同時開催が義務化されるようになりました。
次のパラリンピックの種目と注目選手の紹介

2020年東京パラリンピックでは、22競技540種目が21会場で実施されますが、その内、陸上が168種目水泳146種目と2競技で60%近くを占めていますので、注目の競技と言えます。
1.各競技の会場まとめ
- 開会式・閉会式・陸上競技=オリンピックスタジアム(新国立競技場)
- アーチェリー=夢の島公園アーチェリー場、
- バトミントン・車イスラグビー=国立代々木競技場、
- ボッチャ=有明体操競技場、
- カヌー・ボート=海の森水上競技場、
- 自転車競技=伊豆ベロドローム、富士スピードウェイ、
- 馬術=馬事公苑、
- 5人制サッカー=青梅アーバンスポーツパーク、
- シッティングバレーボール=幕張メッセAホール、
- テコンドー・車イスフェンシング=幕張メッセBホール、
- ゴールボール=幕張メッセCホール、
- 柔道=日本武道館、
- パワーリフティング=東京国際フォーラム、
- 射撃=陸上自衛隊朝霞訓練場、
- 水泳=東京アクアティクスセンター、
- 卓球=東京体育館、
- トライアスロン=お台場海浜公園、
- 車イスバスケットボール=有明アリーナ、武蔵野の森総合スポーツプラザ、
- 車イステニス=有明テニスの森
2.既に出場が内定している選手(敬省略)
- アーチェリー 上山友裕(男子・大阪府・リオ)仲義嗣(男子・奈良県・初出場)岡崎愛子(女子・大阪府・初出場)重定知佳(女子・京都府・初出場)
- 陸上競技 鈴木朋樹(男子・マラソン・千葉県・初出場)堀越信司(男子・マラソン・長野県・北京・ロンドン・リオ)道下美里(女子・マラソン・山口県・リオ)
- カヌー 瀬立モニカ(女子・東京都・リオ)
- 水泳 木村敬一(男子・100mバタフライ・滋賀県)東海林大(男子・200m個人メドレー・山形県)山口尚秀(男子・100m平泳ぎ・愛媛県)
- 車イステニス 国枝慎吾(男子・千葉県・アテネ・北京・ロンドン・リオ)上地結衣(女子・兵庫県・リオ)
3.東京パラリンピックの注目選手
2020年は自国開催ですので、日本チームには沢山のメダルが期待されるでしょう。東京大会での有望選手について既に出場が内定している選手から紹介したいと思います。
瀬立モニカ選手
瀬立モニカ選手は筑波大学の大学生です。
瀬立モニカ選手は高校の授業中、事故により下半身が動かせなくなる障がいを負いました。
リハビリを兼ねて中学の時に部活で経験したカヌーを高校2年生の時に始めます。
18歳でリオパラリンピックに初出場し、200mのスピードを競うカヤックシングルで8位に入賞しました。
事故からわずか数年で入賞を果たした瀬立モニカ選手は、東京大会での活躍が期待されています。
上地結衣選手
上地結衣選手は日本の女子車イステニスのエースで圧倒的な強さで注目されています。
リオパラリンピックでは日本初の女子シングルスで銅メダル、またテニスの4大大会でシングルスでは3大会で優勝、ダブルスは4大会で優勝し、史上最年少でのグランドスラムを達成しギネス記録にもなっています。
上地結衣選手は世界ランク1位を経験した事もありますので、メダル獲得有望選手の一人でしょう。
その他
2020年東京パラリンピックでは、バトミントンが正式種目として採用されましたので、バトミントン(上肢機能障がい)で世界ランク1位になった鈴木亜弥子選手や、リオパラリンピックで陸上女子400mで銅メダルを獲得した辻沙絵選手たちが注目されています。
まとめ

2020年に開催されるオリンピックは東京なので、日本でかなり注目が集まると思われます。
同時に開催されるパラリンピックもメダル獲得候補選手が沢山いますので、日本人選手が活躍し、日本から世界を盛り上げていって欲しいと思います。
また、2020年東京オリンピック・パラリンピックの表彰台は使い捨てプラスチックで作られるそうですね。
東京都内で発表会が開かれ、元テニスプレイヤーの松岡修造さん、空手の植草歩さんが回収の協力を呼びかけ、回収箱はイオンの全国約2千店舗に置かれる予定となっていますので、この様な形でオリンピック・パラリンピックに参加するのも良いかもしれませんね。