今回は、大人の発達障害の方の日常生活での問題点や解決法をご紹介します。
大人の発達障害に特に多いASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動性障害)について見ていきましょう。
前回に続き、私の知人で、お子様が自閉スペクトラム症のママにまとめていただきましたので、ご参考なさってください。
前回はASD・ADHDの特徴と解説、チェックリストをご紹介しました。
↓
大人の発達障害、特徴と種類の解説します!チェックリストまとめました。
今回の記事では、大人の発達障害の方の日常生活をちょっとした工夫でより暮らしやすくできるようなアイデアを紹介していきたいと思います。
目次
発達障害の特性と日常生活におこること

発達障害の特性は、日常生活においてさまざまな影響を及ぼします。
必要最低限の生活スキルをつけるためには、日常生活での苦手とする下にまとめた5つの要因を理解し、それを身につける必要があります。
- 時間(スケジュールなどの都合)
- 場所(距離が遠い、交通手段の確保)
- 設定(これらの手段をやりくりして段取りを組む)
- コミュニュケーション(段取りを調整して他人と協力する)
- お金(実現のための費用や生活費を捻出する)
日常生活におこること
- ゴミ出しを忘れる
- 片付けができない
- 探し物や失くし物が多い
- 周囲の人と話し合いができない
- つい無駄遣いをしてしまう
- 待ち合わせや締め切りに遅れる
- 銀行口座の引き落としが残高不足でできなかった
- 失言して相手を怒らせたり、傷つけてしまう
これから事柄は、発達障害の人だけでなく、誰でも忘れてしまったりすることがあります。
ただ、発達障害の人は他の人より頻度が多く、それら、もしくは違うことに気を配ってると他のことが進まなくなったりします。
日常生活で優先させると、仕事にも影響しますので、できるだけ問題は減らしたいものです。
事前に準備したり、決め事をつくったりすると、減らすことが出来ます。
解決策の一例
・ゴミは定期的に出す | →何曜日・なんのゴミの日とメモをする |
・次の行動に移れるように片付け・掃除・洗濯などする | →探し物・失くし物がなくなる、きれいな服で出勤できる。 |
・少しずつ貯金する | →無駄遣いがなくなる、もしくは見直せる。 |
・生活リズムを整えて睡眠をしっかりとる | →時間に余裕ができて待ち合わせや締め切りを守れる |
・3食きちんと食べて栄養バランスに気をつけ、適度な運動をする。 | →体力をつける。ASDの人に多いのは感覚が過敏、逆に鈍感ということです。光や音、気温など体で感じるため体力をつけることによってだんだん改善してくることもあります。 |
ADHD(注意欠如多動性障害)の方の「片付けられない」問題の原因と解決策

ADHDの特性で「片付けが苦手」があります。片付けは快適な暮らしやすい空間作りと時間、自分にとって適した物の配置をすることですが、ADHDの人はこの行動が上手くできないのが特性です。
問題点① 物をどこに置いたかわからない
原因は何か?
→置き場所を決めていない、片付ける習慣がない
解決策
- 使い終わる場所の近くにしまう場所を作る
- 使うもの同士でまとめる
- 見えやすい入れ物に入れる
問題点② 物をどこに置けばいいかわからない
原因は何か?
→使いやすさの不明確・使用頻度と置き場所がわからない
解決策
- 使う・使わないなど具体的な言葉で置き換えて考える
- 使用頻度を決める
- たとえ小さい物でも収納場所を決める
問題点③ 物を捨てられない
原因は何か?
→必要かの判断基準がわからず、物の役割を認識できていない
解決策
- 同じもの、似ているものを探し出して似た者同士でまとめる
- リサイクルショップを利用して不要なものは売る
- 買わなくていいのはレンタルなどを活用してみる
問題点④ あるはずだけど、必要なものがすぐに見つからない、取り出せない
原因は何か?
→衝動的になんでも詰め込んでしまう
解決策
- 何でもかんでも詰め込みすぎない
- 見えやすいように立てて置く(箱やかご、フックを活用してみる)
- ラベルを貼って何が入っているかわかるようにする
ASD(自閉スペクトラム症)の方の無駄遣いなどのお金の問題

趣味にお金を使いすぎてしまったり、いつの間にかお金がなくなってる‥ということもあるかもしれません。
お金の管理は、自分の行動と収支を意識して結びつけること、優先順位をつけることです。
問題点① 無駄遣いをしてしまう
原因は何か?
→収支の流れがわかっていない
解決策
- 家計簿をつけて生活費を把握する(アプリなどで最近は簡単に家計簿がつけれる)
- 買い物時はメモしていく
- 予算を事前に決めておく
※ASDの人は、細かい内容まで気になってしまい、だんだんそれがストレスになってしまう=「自分は無駄遣いしてる、失敗してる」と考えたりしてしまいます。
それを乗り越えられれば流れもわかってくるはずです。
目で見て確認できれば安心します。
問題点② 貯金ができない
原因は何か?
→目的や必要性がわからない
解決策
- 強制的に貯金する。(積立など)
- 500円貯金をコツコツしてみる
- 口座を分ける(生活用・貯金用・準備金)
※はっきりした期間や金額を決めて貯金が増えてることで安心感と成果が出ているとモチベーションが上がり達成感も出て意欲も出ます。
問題点③ 急な出費に大慌て
原因は何か?
→必要なお金を前もって準備する習慣がない
解決策
- 年間のスケジュールを見て出費が多い月を把握する
- 上記の準備金用口座に見積もった金額を貯金しておく
問題点④ 楽な外食ばかりでお金がかかる
原因は何か?
→目の前の「ラク」に流されている
解決策
- 予算や回数を決めて、体の為に自炊する
- 乾物、カット野菜などすぐに調理できるようなものをストックしておく
- ヨーグルトや果物などすぐに食べれるようなものをストックしておく
- 料理の楽しさを知って何品か作れるようにマスターする
※忙しくて料理をする時間がなく外食をしてしまいがちですが、お金はかかるし、カロリーや糖分、脂質を考えると栄養面がよくありません。
食事の支度は、予算を立てて買い物をする、一度に複数のことをする、切る、皮をむく、調味料を配合したり味付けしたりと発達障害の人には難しいことばかりです。
でも、練習にもなりできることも増えて節約にもなります。
栄養あるのを食べて体力をつける為にも自炊は大事です。
ASD(自閉スペクトラム症)の方のコミュニケーションの問題

特にASDの人はコミュニケーションが苦手で、苦労してる人も多いと思います。
コミュニケーションは人と人との繋がりで周りの人と関わってく大切なことです。
問題点① 余計なことを言ってしまい、相手を怒らせてしまう。
原因は何か?
→相手のことを考えず、知識の豊富さから話してしまう
解決策
- 先に話さず、相手の話を黙って聞いてみる
- 相手が伝えたいことは何か?を考えながら話を聞く
- 話の区切りがついてから自分の意見を言う。
- 相手が知りたくないことや聞きたくないことは極力言わないように心がける。
問題点② 周囲の人と話し合いがうまくできない
原因は何か?
→内容が明確かどうかの認識の違いが生じてしまう
解決策
- 早く終わらせたいあまりに解決を急がない
- そう思った理由を聞いてみる
- 相手の考えを図や文字にして整理する
- 自分が伝えたいことを図や文字にして整理する
問題点③ うまく相談ができない
原因は何か?
→相談するのに必要な情報や相手に負担をかけないように‥と考えてしまう
解決策
- 悩みを書き出して優先順位を決める
- 自分で調べれることはネットなどで自分で調べてみる
- 相談していい人か見極める
- 相談にのってくれた人に感謝する
まとめ

日常生活の問題と解決方法を紹介しました。
これはあくまでも私の子供を見ていてこうした方がいいかも‥という記事です。
正解でもないです。
私の子供はまだ大人ではないですが、日常生活でも問題を抱えつつこうしたらいいんじゃないか‥と毎日試行錯誤しています。
どこに何を置いたとか、よく忘れやすいのでメモした方がいいことも、私の子供はメモすること自体忘れてしまったりです(・・;)
それでもなんとか頑張って日常生活を日々送っているので、これを読んで少しでも発達障害の方が過ごしやすく困ったことがなくなればいいなぁと思っています。